南半球にあるニュージーランドは、日本とちょうど逆で七月は冬真っ只中。中でも南島の更に南の部分にある美しい世界遺産・ミルフォードサウンドのあたりでは朝は零下にもなるという。氷河によって削られて形成された入り江=フィヨルドを巡るボートの甲板に立ち、幻想的な景色に驚嘆し見入っていると寒さで体は震え上がってしまう。耐え切れずにキャビンに駆け込むと、暖かいコーヒーがお代わり自由で用意されていて、これは本当に嬉しくなる心遣いだ。湯気の立つコーヒーカップを手に、南海の楽園的情景にうっとりしていると、昔見た映画の一場面が思い出され、過去にタイムスリップしてしまった。
楽園のコーヒー
Coffee in an earthly paradise
今でも英国の強い影響下にあるニュージーランドでは、圧倒的な紅茶文化だろう、と思っていたら意外にコーヒーも好んで飲まれている。爽やかで美しく雪を頂いた山脈や羊や鹿の放牧場の続く景色にはコーヒーがよく似合う。スタンドではカプチーノやラテの注文もけっこうも多く、定着しつつあるようだ。いわゆるドリップコーヒーは「フィルターコーヒー」と表示されていた。さて、問題の原料はどうかと言えば焙煎は深目なのに「口の中が痒くなるような代物」にも出会ってしまった。左の写真のようにカプチーノにすれば、欠陥も隠され見場
も良くなるので楽しめるのだが少し軽すぎて頼りないのが残念、、。
焙煎を更に深くすれば、とついつい思ってしまう。
でも、もう一杯、、。
先住民・マオリ文化
Maori culture
ニュージーランドでは、多くの地名や湖の名が先住民のマオリ語で呼ばれているのがとっても印象的。国名は「アオテアロア」・・・長き白雲のたなびく地。「ツチボタル」で有名な「ワイトモ」は水の穴の意。北島にある町「ロトルア」は二番目の湖。彼等の挨拶は「鼻と鼻を二回くっつけ」、相手を威嚇するときは「目をむき、舌を思いっきり出す」らしい。このような民族固有の文化に触れるのは意外性いっぱいで何とも楽しい。そして何故か、マオリの若い人達がコーヒースタンドなどで元気に働いている姿を見るとほっとするのだった。