珈琲紀行 14 北スペイン3 (2004年1月)

巡礼の道は、星の野原へとつづき、
スペインの北部には、新しい感激がいっぱい。
Salamanca


サラマンカは、マドリッドの西北西200kにある美しい町だが、活気もある。
ホテルに着くと、直にぶらぶら歩きを始めた。
いつも通り荷物は持たず、カメラも隠す。
ちょうど、今がバーゲンの時期で、通りは若い人でいっぱい。ウィンドーを覘くと、日本には無いような粋な
ジャケットが洒落た感じで展示してある。値段も半値以下か。とにかくセンスが良くて、見ているとつい欲し
くなってしまう。暫く歩いていると、(Templo del Cafe)という名のカフェが目に付いた。


入って見ると、しっとりと落ち着いた雰囲気で心地よい。この反近代的であることが素晴らしい。若い美人が、学生だろうか、貴重な青春の1ページを薫り高いコーヒーと共に味わっている。この写真の右の方には、毛皮のコートを着たマダムがカウンターに寄りかかり何やら話しているし、その横には若い男達が居て、コーヒー片手に彼らの話題に夢中だ。

変な外人(私のこと)が闖入し、嬉しそうにカフェ・コン・レチェを怪しげなスペイン語で注文し待っている間、無粋いにも写真を撮りまくっているが、みんな表情も変えず我慢してくれているようだ。
程なく 出されたコーヒーは、昔懐かしいカップ・・底の直径が飲み口のそれよりも極端に小さいものにたっぷりと入っていた。

冬のサラマンカの朝はとても暗い。北緯約41度に位置し、日本の青森あたりになるだろうか。けっこう寒くて、南国スペインのイメージからは程遠く、震え上がってしまう。
この美しい町にはヨーロッパ最古の大学があり、未だうす暗い中を大人っぽい学生たちが道を急ぐ。
また、ロマネスク様式の旧カテドラルと、ゴシック様式の新カテドラルがあり、町の貴重な文化遺産となっている。このカテドラルについてはとても興味深い事実があった。

近年のカテドラル修復の際、思い切った新しい試みがなされた。
外壁の傷んだ大理石の彫刻の代わりに、なんと、「宇宙飛行士」の姿を刻み込んだのだった。
何百年後かには、これも古典的な図柄になってるに違いない、、。