シディ・ブ・サイド(Side Bou Said)はチュニスの北18キロにあります。
その意味は、「聖人ブ・サイドの町」とのことでした。
期待のカフェは、思い描いた通りの雰囲気で待ってくれていた。
カフェ・イタリアーノ
この有名なカフェは通りを見下ろす
内部はアラビアの雰囲気がいっぱい
土産物店が軒を連ねる上り坂の一番上にあり、オーラさえ放っているようだった。
物売りもシツコク付きまとったりしないので心安らぎ、感激していられる。
中に入る前に、何枚も何枚も写真を撮った。
内部はふんわりとした暗さで、堅苦しくなく、いい感じ。
飾りつけも所狭しなのだが、絶妙のバランスが保たれている。
店の真ん中は通路になっており、左右は一段高く、絨毯敷きだ。
ここに靴を脱いで上がり、カフェや水煙草を楽しんでいる人が見える。
一頻り眺め回した後、カウンターの方に行き、アラビア語も
フランス語も駄目なので、片言のスペイン語で注文すると
何だか通じたみたいだった。
待っている間、じっと抽出をみていると、やっ、トルココーヒーだ。
小父さんは、けっこう丁寧に且つおごそかに作業を進めている。
儀式が済み、有田焼きのようなカップを目の前に置いてくれた。
懐かしい本格のターキッシュ、3年近く前のイスタンブール以来だ。
頂く前に素早く写真を撮り、わくわくしながら一口啜ると
甘くほろ苦い液体がコーヒーの微粉と共に爆発する。
原料も悪くないので、臭みはない。
ふわーっ。なんと美味しいことか。今では、この微粉をフィルターで漉して
飲んでいるが、この素朴な飲み方がそもそもの原型なのだ。
機会があれば、ぜひ皆様にも試して頂きたいものだ、、。
ミラノのマルペンサ空港から成田へ乗り継ぐ際、6時間もの
待ち時間があったので車で1時間ほどのコモ湖畔まで
足をのばすことになった。
数十年ぶりのイタリアのコーヒーとの出逢いに心は早る。
特にお目当てのカフェはなかったので、目に付いた店に入り
エスプレッソを注文する。
バリスタが手早く粉を詰め、あっと言う間に抽出してくれる。
全て流れるような手際の良さ。うっとりと眺める。
美しく小粋なカップの半分ほどに濃厚なコーヒーが鎮座している。
筆舌に尽くしがたいコーヒーの精華がここにある。
香りに酔いしれ、なめるように楽しむ。
良い原料と深煎り、そして泡立ちが織りなす素晴らしい調和。
また別の店に駆け込んで試してみたが、裏切られることなく
イタリアのエスプレッソは最高級でありました。
敬意を表します。