珈琲紀行 17 カンボジァ (2005年9月) www.cafe-terrasse.com

危機遺産に指定されたこともある「アンコール遺跡群」は、賞賛の声が高いのに
今だに訪れたことが無く、とても気になる存在でした。


9世紀から15世紀にかけてインドシナ一帯を支配したクメール王朝の都あとが
アンコール遺跡群として世界遺産に指定され、訪れる人たちを驚愕させている。


高さ23mの素晴らしく美しい南大門
 
アンコール・ワットの戦うハヌマン兵

着陸したカンボジァのシエムリアプも、出発地のサイゴン同様に湿度が高くて、
あの蒸し暑い日本の夏が快適に思える程でした。
やはりもう少し我慢して、完全に乾季に入ってから訪れるべきだったのです。

とにかくガイドに促されてバスに乗ります。
空港からホテルへの夜の道には街灯もほとんど無く真っ暗で、まだ俗化
していないのかな、などと思い これは却って期待を高まらせる効果がありました。
アンコール遺跡群訪問の拠点となるこの町には沢山のホテルがあり、なぜか
未完成のままになっているのも幾つかあるようでした。

昼間、ホテルを一歩でると熱気と湿度と強烈な東南アジア特有の甘酸っぱい
臭いに圧倒され、頭がくらくらっとなります。
モロッコでは更にミントの臭いもブレンドされ、異国そのものでした。
乗り物は、サイゴンはバイク。ここでは未だ自転車の方が多いようです。
また、遺跡巡りにはヒュンダイの古い中型観光バスが使われていましたが、
このサイズには理由があり、大型では遺跡の一部である幾つかの門を通過
できません。☆上の写真の「南大門」の中央も通って行きます。

この遺跡群の顔となっている「アンコール・ワット」は一辺が200メートルの
回廊で囲まれ、その壁面には精緻で美しいレリーフがびっしりと刻れ、
数々の歴史物語を今も豊かに表現しています。
こんなに圧倒的で、手の込んだ遺跡が外の世界の何処にあるのでしょうか?
「アジアって、凄いんだぁ!?」と認識不足に気がつくお粗末さでした。

この外にも、大きな顔の石像群で有名な「バイヨン」や
「アンコール・トム」と呼ばれる壮大な都市跡もある。
「タ・プロム」と呼ばれる仏教寺院では、巨大なガジュマル
の樹が寺院に跨り食いつき、引っくり返し、暴れまわって
いる。この驚異と迫力には魂消てしまう、、、。
更に、「東洋のモナリザ」が微笑む「バンテ・
アイスレイ寺院。さらに、さらに、、、。
「アンコール・ワットも良いけど、、
他の遺跡はもっと素晴らしい」と思う人も多いのではないでしょうか。

現在812ある世界遺産のなかでも
このアンコール遺跡群は第一級であると独断します。
このように壮大で、美しく奥深い遺跡がアジアにあるとは、、、。
今アジア人として、とても誇りに思います。

お気に入りの「南大門」を初めて見たとき、ガゥディのあの、何ともいえない
「サグラダ・ファミリア聖堂」の入り口を思い出してしまいました。
もしかしたら、ガゥディは既にこの門のことを知っていたのかしらん、、、
などと想像したりしています。

※アンコール・ワットには、意外に沢山の古い落書きがあるのだと言う。中国語
も多いけど、日本語も少なくなく、なかよく夫婦で残したというのもあるらしい。
中でも読みやすいのは、西暦1632年に此処(既に廃墟になっていたらしい)
を祇園精舎だと思って訪れた森本右近太夫(父は加藤清正の家臣)により墨書され
たものが有名だ。ポルポト政権時代にここを基地として使った兵士によって青ペンキ
で塗りつぶされていたのが、最近ペンキが剥がれて下から再び現れたそうです。

☆こちらのコーヒーは、ベトナムもカンボジャも共に練乳を混ぜ込むものですが、
濃いコーヒーに、なぜか懐かしい甘味が溶け合いクセになる美味しさです。
余談ですが、カフェテラス・カフェでもこのコーヒーを注文される方が増えています。

因みに、
コーヒー王国スペインのレバンテ地方にもこれと同じコーヒーがあるから不思議ですねぇ、、
カフェ・ボンボンと呼ばれており、エスプレッソと練乳を混ぜずに2層にしてサーヴするようです。
!チュニジアでもこれと同じようなコーヒーを飲んだ記憶があります。