珈琲紀行 18 ネパール (2005年10月) www.cafeterasse.com

見れば感激で涙が出るほど美しくも神々しいと言うヒマラヤ山脈を訪ねました。
カンボジャ同様今だに訪れたことが無く、更に気になる存在でした。


ヒマラヤは、梵語で「雪のある処」を意味する山脈で、ダウラギリ、アンナプルナ
マナスル、マチャプチャレ、エヴェレスト、カンチェンジェンガなどが有名です。


マチャプチャレ(トレッキングの途中で)
 
古都バクタプールらしからぬ"カフェ"

成田からタイ航空でバンコクまで行き、一泊して到着したカトマンズの新市街は
人がごった返し、排ガスが渦巻き、それはそれは活気に溢れた街でありました。
一通りの観光を終えて、次の日にはカトマンズの北西にあるポカラへと移動。
イェテイ(雪男?)航空の50人乗り位の飛行機で25分間ほどの飛行ですが、
民族衣装を着た美人スチュワーデスが一人で発着のアナウンスから、アメ配り、
ジュース注ぎ、更には折畳みのタラップの出し入れに至るまでテキパキパキと
やってのけるのに感心していると、もう着いてしまいました。

ポカラでは、
空港のすぐ傍のシャングリラ・ヴィレッジ・リゾート
に3連泊の予定です。ふと上を見れば、美貌の
マチャプチャレ(上の写真)やアンナプルナ南などが
静かに、でも迫力いっぱいに光り輝いており、
慌ててスケッチブックとピグマペンを弄りました。
これから暫く、このシャングリラ(地上の楽園?)
に身をおく訳ですが、特に山への憧れが強くなかった
私でさえ、すっかりと魅せられ虜になりました。

何もしないで唯ぼんやりと過ごす贅沢さは、
このような環境があれば、もう 盛り上がる一方です。
プールもあるので気分よく、のんびりと浸かったりしておりましたが、
次回からは普段着やサンダルも持って行こうと思います。

さて、コーヒーですが、ネパールでも40年ほど前から栽培が始まったようです。
もちろん何とかして飲んで見たいと思っておりましたが、一般の意識は
他の途上国と同じで「高級コーヒーとはインスタント・コーヒーなり」状態で、
なかなか本物に出会うことは困難でした。

ところが、何と、泊まっているこのホテルのレストランで
朝食に出ているのが<お目当てのそのコーヒーだったのです!
見せてもらった豆は深めに焙煎してありました。
品種はアラビカ種の木で、生産地はポカラの南西にある
ルムビニーとのことでした。
カップは、香りも苦味も酸味もコクも全てフラットで、
また雑味もないので多分、コーヒー初心者に好まれる
ものだろうと、と感じられました。
日本に帰ってから調べたところ、グルミ、シャンジャ、パルパなどの
地方でも生産され、少しですが日本にも入って来ているようです。

ネパールの魅力は、世界に名立たる高峰と中世の町並みでしょう。
昔この国の街を訪ねた人が、時を経て再訪したときの感想に、
「すっかり近代化してしまい、ほんとに残念だ」などと言うようです。
私もこれを聞き、もう遅いのかなぁ、、
と思ったりしておりましたが、
今回、ネパールに入って見て、
「いやいや、決して遅くない、
中世の街並みと人々の生活は
未だ失われずに続いている」
と興奮しつつ実感しました。
このような処は、モロッコの
フェズくらいでしょうか。
しかし、こちらのバクタプルや
パタンの町は、とても芸術的で美しく価値の高いものです。
日本の建物との違いは、精緻に彫刻を施された木造部分が堅固な
レンガと見事に調和していることでしょう。
仏塔は、日本と同じように三重塔・五重塔になっています。
「なぜか、懐かしい、、。」とは、ここの事です。
上の写真では、絵のような中世の建物の一階にちゃんと
小さなお店がひしめき合って、元気に商売をやっています。
お客さんも、ごく日常的なお買い物です。
全てが昔のままなんです。この様にずっと続いてきました。
ネパールに魅せられ、繰り返し訪れる人のことや、
数ヶ月住み続ける人たちをことを聞きましたが、
ふと、自分もそうしたいな〜と思いました。

クマリ
(生神様になった少女)の館では、
運よく可愛い八歳になる彼女が真ん中の窓から顔を出してくれました。
ほんの数秒間のお目見えでしたが、自分でも予想しなかった
不思議な感動がありました。
最近では、十回に一度しか会えないそうです。
写真は禁止です。

ハヌマン
ヒンドゥー教の神猿の名。風神バーユと天女アンジャナーの子。
叙事詩「ラーマヤーナ」で、猿の軍勢を率い、ラーマを助ける。
この闘いでハヌマンは顔を焼かれたので、その子孫のハヌマンラングール
の顔は今もなお黒いのだという。※写真をルーペで見てください。
アンコール・ワットの回廊のレリーフにも、このハヌマン軍
闘いぶりが見事に表現されていた。

ラクシー酒
ネパールの名物酒・ラクシーは米から造る蒸留酒で、50度の
強い透明のお酒。日本の座敷と同じようにマットに座ると、低い
テーブルに置いた金色の杯に、小父さんが1メートル位の高さから
一滴もこぼさず見事に注いでくれる。  これが売り物だ。
酒好きの人に言わせると、この酒はクセもなく中中のものらしいが、
下戸が飲むと気絶するので、ご注意ください。